まだ大丈夫だよ、大丈夫、君と僕の為だから

 




 今年の春に香穂子との思わぬ再会をしてから、俺の環境はかなり変わった。

 結婚の約束をして、その準備のために何度となく日本とウィーンを行き来してきた。その間にアパルトマンも二人で暮らせるような広さと場所を探し歩き、家具なども・・・これは母の意見を聞きながら・・・買い求めた。

  本当なら二人で一緒に探すのがいいのだろうが、ビザや諸手続きの関係で、結婚後すぐにこちらに来られるわけではない。香穂子の大学の関係もあって ウィーンに来る機会があまりない為、香穂子から俺と母に一任されたのだ。母はそれを聞いた時、少し遠慮もあったようだが、かなり嬉々として家具選びをして いた。


 結婚式でまとまった休みを取るために、かなりハードワークになっている。

 早朝からスタジオにこもり、コンサートの打ち合わせ、時折メールや電話で来る結婚式の打ち合わせ、ヴァイオリンの練習、母との家具選び・・・今だけだと割り切っているが。

 飛行機の中でかなりまとめて眠れるので、今はそれを当てにしている。しかし香穂子は俺の無理を見抜いているようで、事あるごとに「休んでる?」と尋ねてくる。無理をしていることが分かれば、彼女はきっと気を使う。そうされるのが寂しい気がして、俺は小さな嘘をつく。

「大丈夫だ、そんなにヤワじゃない」

「でも・・・」

 心配そうに瞳を曇らせたいわけじゃない。しかし心配もかけたくない。

「大丈夫だ、香穂子。多少疲れがないわけじゃないが、二人のことだから」

 まだ納得できないとでも言いたげな視線が投げかけられる。それでも。

「一度しかない大事な事だ、少し無理をしてでも、いい思い出にしたい」

「蓮・・・」

 何よりも君の為に。

 俺は下手な嘘をつく。


「大丈夫だ、香穂子。そんなに心配しなくても平気だから」








ヒトリゴト。(ブログより


短っ!

いやこれ以上広げても収集つかなくなりそうで・・・最近、最初の設定と違うことし始めるんですよね、この二人(おい

お題通りに納めるの大変なんですよ・・・(力不足

 

 

2010.7.24UP