似てきたのかな?




 天気がいい日は公園で。

 そんな暗黙の了解ができる程度に二人の仲は進展していた。

「よっしゃ!」

 いつものバスケットコート。いつものメンバー。そんな変わらない、いつもの休日。

「次は負けませんからね!」

 香穂子が手渡した冷たいスポーツドリンクをごくごく飲みながらあははと笑っている青年が、香穂子を見やる。

「香穂ちゃん!見ててね!次も勝つからね!」

 優しい、暖かい手が香穂子の頭をぽんと撫でた。その仕草は俺の特権だったのにと思ってみたりもする。

 撫でられた頭を押さえて、香穂子が「はい!」と幸せそうに笑った。

 その笑顔の向く先は自分じゃなかったことに、また暗い気持ちになりかけて。

 これで良かったんだろ俺、と自分を励ます。

 言わずにいたら横からかっ攫われて、今更何の文句も言えまい。

「あーあ・・・」

 このほのぼのカップルめ、とかなんとかつぶやいている香穂子と同じ普通科の同級生が大きなため息をついた。

「あてられるっつーの・・・」

 何で俺はここにいるんだろう。

 ひとえに誰かのものになっても香穂子の近くにいたいというそれだけで選んだ「友達」の道。

 時々無性に切なくなる。

「えー?何か言ったー?」

「土浦くん、何か言った?」

 二人同時に返ってきた言葉に土浦は一瞬目をぱちくりと瞬かせ、さらに盛大なため息をついた。

「なんでも・・・ない!」

 ボールを火原から奪い取り「先輩いきますよ!」とフェイントをかけて駆け出した。

 あっ、ずるい!とこれまた同時に二人が叫ぶ。

 彼女を横からフェイントしてかっ攫っていった男にこれぐらいの仕返ししたってバチは当たるまい。

「先輩、がんばって!」

「うん!」

 火原が駆け出す。

 追いつきそうになるのをかなり本気でかわしながら、土浦は思った。


 いつも明るく振る舞い、愚痴や悪口は絶対に言わない。

 笑えばそこの空気が一瞬にして華やかになる。

 その場にいるだけで、皆が笑顔になる。

 ヒマワリのような、二人。


「似てきたよな、絶対・・・」












ヒトリゴト。(ブログより一部


これは土浦視点の火日です。

二人の共通点って結構ある、と私は思うのです。