誰にも止められない想い

 




まさか。

「これが・・・」

恋、なのか?
こんな感情、今まで知らなかった。
一人を想うことがなかったから。
ヴァイオリンがあればそれでいいと思っていた。
けれど。もう、知ってしまった。
よりによって、なぜ。
彼女なのか。
考えなくても理由はわかっている。
彼女の音色が、俺の欲するものだから。
・・・いや、違う。
音色だけじゃない。
欲しいのは。

君の、心。

はっきりと自覚してしまえば、彼女へと向かう想いを止められるわけもなく。
ただただ、彼女を想って弾くだけだ。
その音は、ひたすらに。
甘く、優しく。
俺を包み込む。







2010.2.15UP