自覚はあったのかもしれない。
けれどはっきりと「そう」思ってしまえば、今まで自分が築いてきた砂の城が瓦解していくのがどこかでわかっていたんだと思う。
だから、精一杯の虚勢を張って生きていくしかできなかった。
君に、会うまでは。
ヴァイオリンて、こんなに綺麗な音がするんだねと。
そう笑う君に、俺は・・・何かを予感していたんだと思う。
心に刺さった小さな棘は、次第に深く・・・深く、核の部分へと刺さっていった。
俺の、・・・本当の俺を。
傷つくことが怖くて、精一杯の防御線を張り巡らせて生きていた俺を。
君があっさりと壊すだろう、予感。
君の手を握ったまま眠ってしまった練習室。
君の手の暖かさが、俺を無防備にする。
人前であんな醜態を晒したことなんて一度だってなかった。
どうしてだろう、君の手は、俺の色々な感情を暴いていく。
望むと望まざるとに関わらず。
君のその小さな手のひらに零れ落ちた、小さな想いでさえ。
大切そうにしながら守ってくれる。
心のどこかで不安を感じていた日々。
それさえも愛しそうに、君は笑って受け入れてくれるんだ。
だから、俺は。
いつも君の手を繋いでいたい。
零れ落ちそうな俺の想いを、その小さな手のひらで受け止めてくれると信じているから。
不安や、恐れや。
愛しさ。
それら全てを、俺は君に預けよう。
だから。
君の全てを、俺に預けてくれないか?
ヒトリゴト(ブログより
最近オリジナルばっかりだったので、お題消化してかないと。
ほのぼの系を書くつもりが・・・お題を見てたら浮かんでしまったので。